一酸化炭素など異核二原子分子の分子軌道計算

◎異核二原子AB型分子の分子軌道計算

プログラム名: c8v11 (または ab)

マニュアル(ステップバイステップ)バージョン

f01作成(f25準備) ⇒ makef05 ⇒ scat計算 ⇒ 周辺プログラム を
一つ一つ手動で実行していきます


(c8v11 or ab) +makef05scatの具体的な使い方

一酸化炭素分子COの場合


1.DV-Xα計算環境(コマンドプロンプト画面)で、
  これから計算で用いる適当な空ディレクトリを準備します。

 cd calc [Enter] ・・・c:\dvxaからc:\dvxa\calcに移動します
 md co [Enter] ・・・c:\dvxa\calcの中に、coディレクトリを作成します
 cd co [Enter] ・・・c:\dvxa\calcからc:\dvxa\calc\coに移動します


2.プログラムc8v11(またはab)を起動してCO分子のDV-Xα計算に必要なF01とF25を準備します。

 c8v11 [Enter] ・・・プログラムc8v11を起動します
 (※または、ab [Enter] ・・・プログラムabでも動作は同じです)
 6 [Enter] ・・・炭素の原子番号
 8 [Enter] ・・・酸素の原子番号
 1.1282 [Enter] ・・・C-Oの結合距離


3.プログラムmakef05を起動してCO分子のDV-Xα計算に必要なF05を作成します。

 makef05 [Enter] ・・・プログラムmakef05を起動します


4.ノンスピン版のscatを起動してCOのDV-Xα分子軌道計算を行います。

 dvscat n [Enter] ・・・scat計算を10サイクル回します
 dvscat n [Enter] ・・・scat計算をさらに10サイクル回します
 dvscat n [Enter] ・・・scat計算をさらに回します
 type f06z | more [Enter] ・・・先頭に“Converged”とあればscat計算は収束しています


5.周辺プログラムを駆使してCOのDV-Xα分子軌道計算結果(数値デ−タ)を見ていきます。

 type f08e [Enter] ・・・COの分子軌道(計算結果)を見ます
 hlgaps [Enter] ・・・HOMO, HOMO-1, HOMO-2と、LUMO, LUMO+1との間隔を計算します
 netc n [Enter] ・・・COのネットチャージを計算します
 type i08 [Enter] ・・・COのネットチャージを見ます
 bndodr n [Enter] ・・・COのボンドオーバラップポピュレーションを計算します
 type bn8 [Enter] ・・・COのボンドオーバラップポピュレーションを見ます
 popanl n [Enter] ・・・COの分子軌道の成分原子軌道の割合を計算します
 type f08p | more [Enter] ・・・COの分子軌道の成分原子軌道の割合を見ます


6.周辺プログラムを駆使してCOのDV-Xα分子軌道計算結果をグラフィカルに可視化していきます。



実際の操作画面を以下に掲載します。

一酸化炭素の分子軌道_1
一酸化炭素の分子軌道_2
一酸化炭素の分子軌道_3
一酸化炭素の分子軌道_4


(c8v11 or ab) +makef05scat で簡単に電子状態計算できる分子の例
(一般的な、異核二原子 AB型分子の例)
No. 化学式 原子番号 結合距離(Å) 備考
AB A B A-B
1 HF 1 9 0.9169 フッ化水素(hydrogen fluoride)
無色, 刺激臭のある発煙性液体, 融点 -83℃, 沸点 19.5℃.
2 HCl 1 17 1.2746 塩化水素(hydrogen chloride)
刺激臭のある無色の気体, 湿った空気中では発煙, 融点 -114.2℃, 沸点 -84.9℃.
3 HBr 1 35 1.4145 臭化水素(hydrogen bromide)
刺激臭のある無色の気体, 融点 -88.5℃, 沸点 -67.0℃.
4 HI 1 53 1.6090 ヨウ化水素(hydrogen iodide)
刺激臭のある無色の気体, 融点 -50.8℃, 沸点 -35.1℃.
5 CO 6 8 1.1282 一酸化炭素(carbon monoxide)
無色, 無臭の気体, 融点 -205.0℃, 沸点 -191.5℃.
6 NO 7 8 1.1508 一酸化窒素(nitrogen monoxide)
無色の気体, 融点 -163.6℃, 沸点 -151.8℃.
・表中の原子間距離は、(社)日本化学会編 化学便覧 基礎編 改訂5版 丸善 2004年 に掲載されている数値です。
・表中の備考欄は、化学大辞典理化学辞典無機化合物・錯体辞典有機化合物辞典より一部抜粋しております。


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