三フッ化ホウ素分子の分子軌道計算

◎平面正三角形AB3型分子の分子軌道計算

プログラム名: d3h13

マニュアル(ステップバイステップ)バージョン

f01作成(f25準備) ⇒ makef05 ⇒ scat計算 ⇒ 周辺プログラム を
一つ一つ手動で実行していきます


d3h13makef05scatの具体的な使い方

三フッ化ホウ素分子BF3の場合


1.DV-Xα計算環境(コマンドプロンプト画面)で、
  これから計算で用いる適当な空ディレクトリを準備します。

 cd calc [Enter] ・・・c:\dvxaからc:\dvxa\calcに移動します
 md bf3 [Enter] ・・・c:\dvxa\calcの中に、bf3ディレクトリを作成します
 cd bf3 [Enter] ・・・c:\dvxa\calcからc:\dvxa\calc\bf3に移動します


2.プログラムd3h13を起動してBF3分子のDV-Xα計算に必要なF01とF25を準備します。

 d3h13 [Enter] ・・・プログラムd3h13を起動します
 5 [Enter] ・・・ホウ素の原子番号
 9 [Enter] ・・・フッ素の原子番号
 1.3070 [Enter] ・・・B-Fの結合距離


3.プログラムmakef05を起動してBF3分子のDV-Xα計算に必要なF05を作成します。

 makef05 [Enter] ・・・プログラムmakef05を起動します


4.ノンスピン版のscatを起動してBF3のDV-Xα分子軌道計算を行います。

 dvscat n [Enter] ・・・scat計算を10サイクル回します
 dvscat n [Enter] ・・・scat計算をさらに10サイクル回します
 dvscat n [Enter] ・・・scat計算をさらに10サイクル回します
 dvscat n [Enter] ・・・scat計算をさらに回します
 type f06z | more [Enter] ・・・先頭に“Converged”とあればscat計算は収束しています


5.周辺プログラムを駆使してBF3のDV-Xα分子軌道計算結果(数値デ−タ)を見ていきます。

 type f08e [Enter] ・・・BF3の分子軌道(計算結果)を見ます
 hlgaps [Enter] ・・・HOMO, HOMO-1, HOMO-2と、LUMO, LUMO+1との間隔を計算します
 netc n [Enter] ・・・BF3のネットチャージを計算します
 type i08 [Enter] ・・・BF3のネットチャージを見ます
 bndodr n [Enter] ・・・BF3のボンドオーバラップポピュレーションを計算します
 type bn8 [Enter] ・・・BF3のボンドオーバラップポピュレーションを見ます
 popanl n [Enter] ・・・BF3の分子軌道の成分原子軌道の割合を計算します
 type f08p | more [Enter] ・・・BF3の分子軌道の成分原子軌道の割合を見ます


6.周辺プログラムを駆使してBF3のDV-Xα分子軌道計算結果をグラフィカルに可視化していきます。



1.〜4.の操作画面を以下に掲載します。

d3h13_1
d3h13_2


d3h13makef05scat で簡単に電子状態計算できる分子の例
(一般的な、平面正三角形 AB3型分子の例)
No. 化学式 原子番号 結合距離(Å) 備考
AB3 A B A-B
1 BF3 5 9 1.3070 三フッ化ホウ素(boron trifluoride), 量子材料化学入門 p. 84〜89
無色, 刺激臭のある気体, 融点 -127℃, 沸点 -100℃, 吸いこむと有毒.
2 BCl3 5 17 1.742 三塩化ホウ素(boron trichloride)
無色の気体, 組織を強く刺激し, 蒸気は腐食性があって有毒. 融点 -107℃, 沸点 12.5℃.
3 BBr3 5 35 1.893 三臭化ホウ素(boron tribromide)
4 BI3 5 53 2.118 三ヨウ化ホウ素(boron triiodine)
5 CO32- 6 8 1.29 炭酸イオン(carbonate ion)
((注意)) makef05を実行する前に、F01を以下のように編集する必要があります。
|NEQ|| CHG ||U/D|| RD || VD | 1
 1  -2.0
6 NO3- 7 8 1.22 硝酸イオン(nitrate ion)
((注意)) makef05を実行する前に、F01を以下のように編集する必要があります。
|NEQ|| CHG ||U/D|| RD || VD | 1
 1  -1.0
・表中の原子間距離は、(社)日本化学会編 化学便覧 基礎編 改訂5版 丸善 2004年 に掲載されている数値です。
・表中の備考欄は、化学大辞典理化学辞典無機化合物・錯体辞典有機化合物辞典より一部抜粋しております。


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