ヘキサカルボニルクロム錯体の分子軌道計算

◎正八面体A(BC)6形分子の分子軌道計算

プログラム名: oh166n

オートマチック(全自動)バージョン(ノンスピン版)

f01作成(f25準備) ⇒ makef05 ⇒ scat計算 ⇒ 周辺プログラム を
一挙に全自動で実行します


oh166nの具体的な使い方

ヘキサカルボニルクロム錯体[Cr(CO)6]の場合


1.DV-Xα計算環境(コマンドプロンプト画面)で、
  これから計算で用いる適当な空ディレクトリを準備します。

 cd calc [Enter] ・・・c:\dvxaからc:\dvxa\calcに移動します
 md crco6 [Enter] ・・・c:\dvxa\calcの中に、crco6ディレクトリを作成します
 cd crco6 [Enter] ・・・c:\dvxa\calcからc:\dvxa\calc\crco6に移動します


2.プログラムoh166nを起動して[Cr(CO)6]のDV-Xα計算(ノンスピン版)を行います。

 oh166n [Enter] ・・・プログラムoh166nを起動します
 24 [Enter] ・・・クロムの原子番号
 6 [Enter] ・・・炭素の原子番号
 8 [Enter] ・・・酸素の原子番号
 1.92 [Enter] ・・・Cr-Cの結合距離
 1.16 [Enter] ・・・C-Oの結合距離


3.[Cr(CO)6]のDV-Xα分子軌道計算結果(数値デ−タ)を見ていきます。

 type f08e [Enter] ・・・[Cr(CO)6]の分子軌道(計算結果)を見ます
 type i08 [Enter] ・・・[Cr(CO)6]のネットチャージを見ます
 type bn8 [Enter] ・・・[Cr(CO)6]のボンドオーバラップポピュレーションを見ます
 type f08p | more [Enter] ・・・[Cr(CO)6]の分子軌道の成分原子軌道の割合を見ます


4.周辺プログラムを駆使して[Cr(CO)6]のDV-Xα分子軌道計算結果をグラフィカルに可視化していきます。



oh166nで簡単に電子状態計算できる分子の例
(一般的な、正八面体 A(BC)6型分子の例)
No. 化学式 原子番号 結合距離(Å) 備考
A(BC)6 A B C A-B B-C
1 [Cr(CO)6] 24 6 8 1.92 1.16 ヘキサカルボニルクロム(hexacarbonylchromium)
無色結晶, 空気中で安定, 152 〜 155 ℃で分解, 昇華.
2 [V(CO)6] 23 6 8 2.015 1.138 ヘキサカルボニルバナジウム(hexacarbonylvanadium)
3 [Mo(CO)6] 42 6 8 2.063 1.145 ヘキサカルボニルモリブデン(hexacarbonylmolybdenum)
無色の菱面体結晶, 空気中では150℃で分解, 有毒.
4 [W(CO)6] 74 6 8 2.059 1.149 ヘキサカルボニルタングステン(hexacarbonyltungsten)
無色の斜方晶系結晶, 約150℃で分解昇華, 有毒.
・表中の原子間距離は、(社)日本化学会編 化学便覧 基礎編 改訂5版 丸善 2004年
 または、International Tables for Crystallography Volume C, IUCrに掲載されている数値です。
・表中の備考欄は、化学大辞典理化学辞典無機化合物・錯体辞典有機化合物辞典より一部抜粋しております。


→ もくじに戻る




坂根ページへ化学科ページへ

岡山理科大学 理学部 化学科

ご意見・ご質問は下記まで
gsakane@chem.ous.ac.jp